人生は意識レベルでできている(5)

生澤愛子との生活

 結局、受験勉強を続けるものの思ったように成績が伸びなかった。模試の偏差値は志望校に受からなそうなのに、その大学の過去問を解くと、どこかしらには受かりそうな得点を取れていた。模試の点数は悪いのに、過去問は解けるので不思議だと思っていた。そして、そのまま受験期を迎えることになる。受験最後の日が法政大学の受験だったのだが、潜在意識では四つ葉のことをしたいと思っているのに、目の前の現実は自分の不安を埋めるためにやっている行動であったので、本音と建前のギャップがあり受験中も涙が止まらなかった。

 受けたところは全て落ちてしまい、親からはわざと落ちたのではないかと疑われていた。だが、実は受けていた立教大学は、本当は受かる点数が取れていたのだが、パラレルセルフによって不合格になるように点数の操作が行われていた。本来であれば愛子はそもそも受験勉強をせず、大学にも行かないという計画を立ててきていた。本来の計画通りに進んでいれば、高校在学中に意識レベルが500へ達し、武道館でのスピーチやテレビ出演なども高校生のうちから行っている予定であった。だが、不安な気持ちから大学受験に備えて勉強に時間を費やしてしまったのであった。

 余談だが、この不安な気持ちというものが厄介な存在である。人間は不安な気持ちになると、本来取るべき選択肢の真逆を選んでしまう傾向にある。この性質は全ての宇宙を創った一番上の想像主が設定したものである。不安な気持ちが起点となって起こす行動はほぼ不正解と思ったほうが良いだろう。

 そして、受験の結果が全て不合格となったタイミングで、ランクを落として再受験や世界一周してみる、浪人、本当は一番良いと思っているパティシエの専門学校へ行って四つ葉の道を模索するという4つの選択肢が愛子の中ではあった。四つ葉で生きていくことが難しいとなった時に当時は次にやりたい仕事がパティシエであった。4択といいつつ、ほぼ1択のような状態であったのだ。

 愛子は勇気を出して一番ベストだと思っているパティシエの専門学校へ進むことを決意するのだが、愛子にとっては人生で一番怖い決断であったという。怖いが、この道が自分にとって最善であるということはどこかで分かっていた。実はこの選択は生まれる前に宇宙で決めてきた計画の1つだったと後になって分かる。なので、高校でも推薦で大学に行けないコースを選択していたのだった。全ては計画通り順調であった。

 決断することに怖かった要因としては、これまで塾に通い、たくさんの時間をかけて勉強をしてきていたことも1つの理由である。ここまで時間を費やしたのに、大学へ進む道を諦めてもいいのだろうかという葛藤もあった。だが、思考で考えて「行ったほうが良いかな」と思い選ぶ道ではなく、直感でやりたいと思ったことを貫き通したのである。

 専門学校へ入ってからも不安は多少あったのだが、できることは全てやろうと思い、人と会って四つ葉のクローバーと一緒に生きていく夢を話し続けていく。するとラジオ出演の話をいただいたり、ハンドメイドの四つ葉の栞を買ってくれる人が現れ始めた。そして専門学校入学後、8月の段階でついに意識レベルが500台にまで戻った。やりたいことを続けていたら、応援してくれる人と出会えるようになったのである。このあたりのタイミングで夢AWARDのお誘いももらい、学生版の夢AWARDで優勝するなど、テレビなどのメディア出演もどんどん増えていく。

 意識レベルが400台のときもメディア出演をしていたが、意識レベルが500になると声がかかる番組の規模感も大きくなっていく。地方ローカル局だったものがどんどんキー局のラジオ番組へとなっていくのである。

 専門学校に入学し、意識レベルが500になった。意識レベルが500になると、愛子の四つ葉とともに生きていくという夢がどんどん現実となっていく。夢AWARDで協賛起業が現れたり、個展が開けるようになったり。四つ葉アーティストとして、芸術家として生きていく道へとどんどん進んでいくのであった。

 意識レベルが上がるにつれて、色や形へのこだわりが強くなっていく。徐々に自分が納得できるものをつくっていけるようになっていくのである。違和感が出てきたら手放して、本当はこうしたいと思っていることに勇気を出して従っていくことを続けていくと、納得できるものがつくれるようになっていく。

 ただ、このころは意識レベル500になったが、意識レベル400台の理性で頑張る癖が残っていた。周りの起業家は理性でどんどん進んでいく意識レベル400台の人が多かったので、愛子も不安に駆られて理性で物事を進めようとしていた時期もあった。専門学校の在学中に1年間休学をしたタイミングがあった。これも愛子が宇宙で立ててきた計画の1つであった。だが、休学中に将来への漠然とした不安に襲われ、慶應大学のSFCをAO入試で受験することにした。小さい頃から1人だけ周りと違うことがコンプレックスだったので、周りの大人の影響もあり、「良い大学にいかないと良い暮らしができないのではないか」と思い始めたのであった。実際に慶應のSFCのAO入試の予備校関係者からは「この内容なら受かるだろう」と言われていたのだが、結果は不合格であった。だがこれも実はパラレルセルフによって点数の操作がされていたのであった。

 このあたりから、愛子は理性で頑張っても物事がスムーズに進まないことに気付いていく。そして、理性ではなくて、意識レベル500台の「愛」を起点とした行動が取れるようになっていくのである。

 愛子はここから意識レベル500台から550台への移行に約10年の時間を費やす。意識レベルは、数値が上がれば上がるほどに、1を上げることが徐々に難しくなっていく。イメージで言うと、400から450へ移行するのと、500から550移行するのとで移動する距離が異なる感じで考えてもらえると分かりやすいだろう。例えば、意識レベル400から450へ移行することを仮に1メートル移動するとした場合、500から550へ移行することは約4.6キロ移動するくらい、距離が遠いのである。難易度や時間がかかりそうなことは、イメージしていただきやすいと思う。(続く)

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