この「やりたかったことを、やりなさい。」(※)の本は、スピリチュアルな話題にアレルギーのある方はもしかしたらそれだけで少し読みにくいかもしれない。「神」や「創造主」といった話が序盤に多く出てくる。それでも、この本は現実的かつ体系的なプログラムになっているので、安心してほしい。スピリチュアルな話が苦手という人も根気強く読み進めて取り組んでもらえたらと思う。
また、そもそもクリエイティブなことを求めていないという人にとって、自分はこの本は必要ないのではないかと思ってしまうかもしれない。
でも安心してほしい。わたしも最初こそおすすめされてやってみただけだが、今では本当に自分が求めていること、本当にやりたいことを取り返しつつある。わたしはここだけの話、夢を掲げて目標に向かって生きている人たちのことを冷ややかに見ていた時期もある。
本当は、そんなふうに情熱をもって生きられる人たちがうらやましかったのだ。夢なんて、とっくの昔に置いてきてしまい、いつの間にか夢なんてないと思いながら生きていた。夢はなに?と聞かれてもいつも思い浮かばず、適当にそれらしいことを答えていた。心からやりたいことが思いつかず、途方に暮れていたのである。
そのような時期も経ているわたしは、今はこの本を心からおすすめしたいと思っている。アートやクリエイティブな志向を持っていないという方にもぜひやってみてほしい。きっとどこかに置いてきてしまった、あなたが忘れていた感情を取り戻せると思うから。
1週目のワークは、「安心感を取り戻す」がテーマだ。この本は自分の創造的な心を育むプログラムである。わたしたちは社会生活(家庭環境や学校生活など)を過ごす中で、世間一般の常識という枠にはめられてしまい、自身の創造性はせき止められてきている。
1週目のワークでは、過去の傷ついた経験を思い出す。いつ誰にどのようなことを言われて傷ついたのかということを思い出すワークなのである。
過去のトラウマなどを話したり思い出して受け入れることでトラウマを癒すという療法が存在しているように、1週目のワークでは、まずは過去に思いがけず負ってしまった傷を顕在化させることで癒すということから始まる。膿を出し切り、感情をクリアにして(人によってはゼロ地点というとわかりやすいかもしれない)から始めよう、ということだと思う。
呼吸も、まずは「呼ぶ(吐く)→吸う」と書くように、どのようなときでも、”出す”ことが先らしい。世の中の理というものだろうか。
だが、嫌なことを思い出すだけではないので安心してほしい。未来の自分へメールを送ってみたり、アーティスト・デートをしてみたりと、楽しいワークもきちんと入っている。
1週間に1度のワークは2時間ほど時間を取れたら十分に終わると思う。最初は慣れないと思うが、やってみたら意外とスムーズに出来たと思えるはずだ。
ちなみに私は1週目のアーティスト・デートにおいて、Amazonプライムで映画を観た。自宅でおつまみを作り、白ワインを飲みながら映画を観るという、十分に満たされた時間だった(このときはまだ宇宙のことに詳しくなく、酒を飲んでいた時期であった。後々これが大問題であったことを知る)。
どうだろう、1週目のワークは取り組めただろうか。わたしの所感だが、後半になるほうがワークの内容は軽くなっていると感じている。もし1週目で息切れ気味の方がいたとしても、大丈夫である。安心してほしい。なんでも最初の1歩が踏めていれば何とかなるものだ。一緒に頑張ろう。
(※)参考文献・出展
ジュリア・キャメロン=著、菅靖彦=訳、2001年「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」、サンマーク出版
※わたしは旧版の書籍を使ったため、本ブログで引用しているページ数や文章などが新版とは異なっている可能性がある。
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