身体的な特徴から性格を分析する(3)

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 続いて、捻れ型と言われる7・8種を見ていこう。捻れ型というだけあって、重心の分布が左右で異なっているということが特徴である。例えば、左足は左前のつま先のほうが重心が乗っていて、右足はかかとに重心が乗っているような状態を、本書では捻れ型と呼んでいる。さらに、その前後左右に捻れている重心の中でも、前足の方に重心が乗っている場合は7種、後ろ足に重心が乗っている場合は8種と区別ができるのだという。

 わたしはこの7種の説明が面白くて思わず笑ってしまった。野口さんは、「捻れ型という体型は名の如く捻れている。そのために歩く時にはその分だけお尻を振って調整する。華やかに振っている人があって、『私は捻れ型でございます。触ると怒りますよ』というような恰好で歩いている(p.188)」と言っている。これまで、華やかにお尻を振って歩いている人を見たことがあるだろうか。想像してみてもわたしはあまりピンと来ず、思わずこの文章を読んでみてツッコミを入れたくなった。今後は意識をして街中を観察したいと思う。そのような人を見つけたら7種ということだ。

 7・8種の人たちの感情は、泌尿器へ影響を与えるのだという。緊張する場面でトイレに行きたくなったり、子どもが親へ潜在的に反抗するのにおねしょをしたりなど、感情が尿意へと向かってしまうと野口さんは書いている。

 それから、7・8種の行動の起点は「勝ち・負け」である。勝ちたい、もしくは負けたくないという気持ちで頑張る人なのである。7種の人はムキになると、身体を捻って身構えるのだそうだ。闘争的で、すぐにライバルとも言える敵をつくり出すことで踏ん張るのだという。身体の異常を感じ取るのが鈍感なようで、逆に言えば鈍感だからこそ頑張り続けられるのかもしれない。

 別の本ではあるが、本ブログの別の記事で紹介している「メンタルモデル」の価値なしモデルと酷似しているように感じる。だが厄介なことに、この7種は、相手が弱い場合にはやたらと強気な態度をとってくるものの、相手が強いと途端に弱くなるのだという。勝ち戦しかしない性格なのかもしれない。

 続いて8種を見ていこう。わたしは8種についての記述を読んで、”忍耐強い”という言葉がピッタリなタイプだと感じた。8種の場合は性別によって、特徴も異なっているという。男性8種の場合の性格から見ていこう。まず、負けず嫌いであり、物事を誇張して自身を大きく見せようとする傾向にある。見た目では負けず嫌いな雰囲気がしないのに、心の底ではいつも誰かしらと比較をしているのである。その比較相手も、漠然とした相手ではなく、きちんと特定の相手が存在しているのだという。野口さんは、8種を気張らせるには誰かをライバルとして仕立て上げることが一番有効であると言っている。ただし、周囲にいる人をライバルとしてしまうと時に困った状況に陥る場合もあるために、過去の偉人などを比較対象として仕立て上げると良いと言っている。

 女性8種の場合は、男性8種と比べると誇張したり自身を大きく見せようという傾向は薄まるようだ。男性8種の場合は、起こった事実に対して誇張をするのだが、女性8種の場合は声の大きさを利用して自身を大きく見せようと表現するのだという。声の大きさで人の関心を引き付けていくのである。

 そして、開閉型と言われる9・10種を見ていこう。開閉型というのは、骨盤が閉じているか開いているかということで表現されている言葉である。しゃがむ姿勢を取った時の重心のかけ方で区別ができるのだそうだ。和式トイレのような姿勢が楽にできると閉型9種、その姿勢を長時間保てないと開型10種であるという。

 9種については、過集中のような特徴を持っていると感じた。何か1つのことを極めるまでは次の物事へ心を移すことが難しいのである。コレクションなども徹底的に行う。9種は、物事を細かく細かく見ることのできるタイプであり、これも恐らく集注力が高いからであろう(※本書では”集注”という字が採用されているのでわたしもそれに倣うこととした)。

 そして、1点に集注する能力に長けているからだろうか、何十年と前のことであっても悔しい気持ちを抱いたことについては当時と同じ気持ちで行動を起こすことができるのだという。気持ちを凝縮させて、時を経ても同じ形や温度の気持ちを取り出せるような人たちなのである。野口さんは時に執拗だという言葉を使っているが、感情を溜め込む特徴もあるのだろう。0か100かで考えるような、極端さを持っているのが特徴だと言える。

 脱線するが、この本書を書いた野口さんはメイン体癖が9種であるとご自身が語っている。9種の説明文だけになぜか「九種とよく合う体癖(p.243)」というトピックが取り上げられているのだが、不自然なほど3・4種について触れていない。敢えて無視をしているのだろうかとも思える。体癖の説明文では3・4種について割と悪口のような体で書いてある文章も多かった印象を受けたので、ここでわたしは「何か私的な感情があるのではないか」と思い、愛子とキネシオロジーテストをしてみたのであった。キネシオロジーテストによれば、野口さんは生前、体癖3種の美人とお付き合いをしていたが振られてしまったそうだ。9種特有の、何年経っても消えない恨みからくる私情が、本書に反映されているのではないかとわたしは疑っている。

 さて10種である。骨盤が開いているという特徴から、開型と野口さんは呼んでいる。しゃがむ姿勢が苦手だというのである。若いときには非常に細い体型でも、更年期になるといきなり肥えると野口さんは言っている。9・10種は、生殖器への感受性が高いと野口さんは言っているのだが、特に10種は顕著に傾向が現れている。性病になったとしても性病の兆候が出てこないのだという。生殖器が強いと考えることが自然であると野口さんは言っている。

 9種が集注力が高いことと背中合わせのように、10種の場合は逆にエネルギーが分散している傾向にある。9種が常に内側への凝縮が強いのと相反して、10種は外側へエネルギーが漏れているような状態なのだろう。10種の場合は母性が強いと本書では書かれているが、エネルギーが外へ分散しているので守備範囲が広いということに繋がるのだと思う。基本的には体癖は奇数が鬱散、偶数が鬱滞という特徴があるものの、9種と10種においては真逆な印象を受けるのである。

 しかも10種については、守るべき対象がいることで、長生きできるのだという。愛情を注ぐ先がいるかどうかで10種の人の健康は左右されると言っても過言ではないだろう。それは人でなくとも、動物や植物でも問題ないのだという。

 ここまでが1〜10種までのそれぞれの特徴である。キネシオロジーテストで調べてみたが、メイン体癖となる体癖は1〜10種の中からのみ現れており、例外はない。次回は11・12種について説明をしていこう。(続く)

(※)参考文献・出典
  野口晴哉著、2013年「体癖」、筑摩書房

 

 

 

 

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