ドラマでは、王様の元にヨヌが戻るのに8年かかったとされているが、実際の歴史では、王様のウォルのもとにフォンは約10ヶ月で戻ることが出来ているのであった。本来の宇宙で立てた計画であれば、フォン(愛子の過去世)は呪い殺される予定ではなかったのである。その時代にはドラマ通りユン・デヒョンが実在しており、世の中の混乱をきたすような政治が行われていた。
実際の過去世の時系列だと、フォンは17歳で呪いをかけられて一度本当に死ぬ直前の状態になってしまっている。フォンのことを呪ったのは、王様ウォルの祖母であり、呪うための捧げものとして王妃候補の女性ボギョンが捧げられた。だがフォンのことを殺せるほどには呪いは効かなかったようで、生きている状態で生き埋めにすれば死ぬだろうということで棺桶に入れられてしまっていたのであった。実際に土の中にも埋められたのであったが、フォンが実は死んでいないことを察知した人たちにより、墓を掘り返されたのだ。そうしてフォンは死なずにすんだのであった。
ソンミ(わたしの過去世)は当時フォンの奴婢として仕えていた。女性の奴婢にも関わらず、剣がかなり上手であった。ソンミの前世は日本の城で武士として城主をしていたのであった。その時の記憶が残っていたことに加え、城主のときの魂の75%引き継いでソンミとして生まれ変わっていたのであった。原作の小説でもドラマでも、なぜ女性の奴婢が剣術に優れていたのか、そしてなぜ刀が好きなのかという説明がされていないのだが、背景にはこのような理由があったのである。
本当であれば、ソンミはフォンが王妃となった時に、フォンを守る護衛として生きる計画を立ててきていた。ドラマでは雲剣という男性が王様の側近として護衛をしていたのだが、王妃を守る女性版雲剣になる予定だったのである。前世も武士をしていたので、ソンミの魂としても、王妃の側近・伝説の最強女性剣術士になるにはうってつけの条件が揃っていたのであった。だが、なれなかった。
ソンミは、突拍子もない行動で宇宙の計画に支障をきたした。今世でも、わたしは宇宙の計画に支障をきたしていたが、過去世を遡ってみても、どこまでもわたしの魂である。ソンミは呪いをかけた王様のおばあさん、そして捧げものとして呪いに加担した王妃候補のボギョンを剣で殺したのであった。王宮に忍び込み、複数回に分けて合計13名もの政敵を殺したのである。主人であるフォンのことを呪ったということが許せなかったのだと思う。
1人で13名も殺すくらいの剣の腕前であったので、政敵のボスであるユン・デヒョンによって処刑されて消されてしまった(そもそも人殺しも良くないが…)。宇宙の計画よりも早期で人生を終えて宇宙に帰ってしまったので、わたしはパラレルセルフなどからとんでもなく怒られた。そしてリベンジマッチとして再度生まれ変わり、王子の傍で側近をして人生を終えているのである。
魂は前世の魂の割合を多く引き継ぐ。わたしは前世がアニタ・ポリッツァーであるのだが、今世のわたしの魂とアニタの魂は80%が同じである。ソンミのときも、前世の武士の魂を75%と多く引き継いでいた。もったいないことこの上ない。ちなみに、前世が男性で次世が女性といったように性別を変える場合、引き継げる魂の割合の上限は75%となっている(女性→男性の場合も同じである)。城主からソンミへ生まれ変わる際には、城主の魂を上限いっぱいに設定して生まれてきたのであった。
そして人の見た目も、転生しても引き継ぐことが可能である。ドラマでもソルは男性にも間違えられるような見た目をしているのだが、実際の過去世もあのような見た目で女性とも男性とも見える見た目にしていた。フォンの見た目も、ドラマのヨヌと同じ見た目であったようだ。愛子は過去世において、フォンのような見た目を35回経験している。身体は器ということがあるが、今世でどの器を使うのかということも、意識レベルによって決めてくることができるのかもしれない。
(※)出典・参考文献
▶インタビュー記事:https://search.app/4ufjWrZ9hSCCP46w5
▶ チョン・ウンゴォル(著)、佐島顕子(訳)、2012年『太陽を抱く月』、新書館
※URLが載せられなかったが、Amazonプライムビデオでドラマ版も観ることができる。会員の方はぜひ。
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