人生は意識レベルでできている(8)

生澤愛子との生活

 2022年は大きめなオーダーの作品の依頼は4件くらい受けていた。その年の11月に、愛子はまた別の場所で個展を開いた。オーダー作品の仕事と、この11月の個展の売上で、愛子は今の家に引っ越しが出来たのだった。賃貸を借りるのはフリーランスであれば会社員よりもハードルが高いが、様々な条件をクリアしてスムーズに入居できるようになったのである。愛子はこの引っ越しの直前、意識レベルが599であった。

 引っ越しする前は尋常じゃない不安に襲われていた。瞬間的に中学生の意識レベル12の時の感覚がフラッシュバックしてきて、毎日のように泣いていた。愛子は何からくる不安なのか分かっていなかったが、この不安に負けると引っ越しをしないことを選んでしまい、体験したいことを体験できずに次のステップに進めないということを感覚的に分かっていた。このときは愛子は不安は自分の内側から生まれていると思っていたが、実はこの不安も闇側の存在によって不安になって引っ越しを阻止するために操作していたことであった。頭で考えると物件の審査は通らない可能性もあると思っていたが、心で考えると審査が通りそうだという気持ちでいた。

 これまでの人生の節目で必ず大きな力が働いていたと愛子は気付いていたので、この引っ越しも何かサポートが入るだろうとなんとなく感じていた。引っ越し先の物件を見に行ったときも、この建物だけが光って見えるような、特別な感覚を感じていた。この物件は愛子のための物件だと思えるものだったので、絶対に大丈夫という思いと思考で感じる不安とで葛藤をしていた。

 そんな不安な毎日を送っている時にオンラインストアで約17万円の作品がぽんと売れた。オンラインストアで売れた作品の中ではこれまでで最高額であった。このタイミングでこのような出来事が起こり、愛子はやはり宇宙は見てくれていると感動した。

 そして審査も無事に通り、不動産会社から入居日の指定が入った。なんとその入居日は愛子の誕生日の日であった。このシンクロニシティも何か特別な力が働いていると確信ができ、この引っ越しは宇宙からの誕生日プレゼントだと思えた。不安を乗り越えて引っ越しを完了し、愛子はここで意識レベルが600になった。

 引っ越しをして不安がなくなり、なにかに守られている安心感があった。住んでみてから知ったことだが、自然豊かな散歩道や、好きなお店、綺麗な公園等が近所にあることが分かり、やはりわたし以上にわたしが喜ぶことを知っている存在がいると毎日感謝をしていた。ここへ引っ越してきてから自転車で移動することが楽しいと気付き、サイクリングも好きになれた。

 引っ越しをしてきてからガーデニングを始めた。ガーデニングをしている中で植物からエネルギーをもらい、新たな花をモチーフにした作品が生まれ始める。引っ越してきてから更に植物が好きになり、そこから新たな作風も生まれたことで、引っ越しも、日常も全てが今に繋がっていると愛子は気付いた。

 引っ越しをして2月頃、アーティストウェイのワークで、「未来の自分と話す」というワークをしている最中にもう1人の自分と話ができた。今はそのもう1人の自分がパラレルセルフであるということが分かっているが、愛子はこの時、未来の自分と話をしていると思っていたという。どこかに自分のことを応援してくれているもう1人のわたしがいるということが分かり、安心感を感じた。

 引っ越しをして落ち着き始めてから、徐々に家に友人を招くようになる。トータルで約10人くらいが愛子の家に足を運んだ(そのうちの1人はわたしであった)。この頃愛子の意識レベルは640となっていた。実家から離れて好きなものに囲まれて、好きな場所に住めて、好きなことを仕事に出来て、自由になれたと思えた。この頃愛子は友達が近所に住んでいたら良いのにと思っていた。どうやって探そうかと思っていたが、これまでの人生だと自分で理性を使って頑張らなくても物事が自然に進んでいくという経験をしていたので、今回も時が来たら何か起こるだろうと思っていた。起こった。わたしが同じアパート内に引っ越してきたのである。それが2023年の秋のことであった。(続く)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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