人生は意識レベルでできている(4)

生澤愛子との生活

 愛子の話に戻そう。愛子は中学3年生の1月、意識レベルが410となる。400台、理性が発揮されるレベルである。第一志望に落ちて、第二志望の高校に行くこととなる。当時は中学時代に引っ越しをしたり自殺しそうになるくらい辛い思いをしたりして、メンタル的にやられたから第一志望校に行けなかったのだと思っていた。もともと愛子は宇宙の計画で第二志望の高校へ行くことを決めてきていたので、計画通りであったのである。

 加えて、実は愛子は第一志望校には受かっていたことが最近わかった。合格点に達していたものの、生まれる前に立てた計画の中で第二志望校に行くことを決めていたので、パラレルセルフにより落とされていたという事実が発覚したのであった。第一志望校を落とすために、愛子のパラレルセルフは宇宙ポイントを約5000ポイント使っていたのだ。余談だが、私は逆に第一志望校に行くにあたり、合格点に達していなかったのでパラレルセルフが宇宙ポイントを約50万使い、合格に至った。確かに、今考えても自己採点で全く点数が足りていなかったのに一発で合格できたことに対して中学の先生も頭をかしげていた。宇宙ポイント1ポイントは現金換算して1円と同等の価値であるらしい。約50万ポイントも使って入学しているのだからほぼ裏口入学である。

 中学3年生の2月440、3月に450と順調に意識レベルを伸ばしていった。高校生入学になると愛子は意識レベル400台を維持することとなる。高校生時代は入学当時の高1の4月で意識レベル420台となり、高校卒業目前の3月で480くらいとなる。

 高校はドラマの撮影場所となるくらい綺麗な学校であった。高校でも吹奏楽部に入るのだが、高1の秋ごろに酷い中耳炎になり部活を辞めた。この中耳炎は短いスパンで2回も起こってしまうのだが、1回目の中耳炎のタイミングで宇宙では部活を辞める計画を立てていたのだが、400台の理性が働きすぎていてここで辞めずに続けようとしていた。2回目の中耳炎になった時に、病院で「このままだと耳が聞こえなくなる」と医者から言われたことで部活を辞めることを決めた。

 このまま部活続けていたら行きたい大学に行けないかもと思っていたので、ちょうどいいと思って部活を辞めた。今思えばパラレルセルフからそのような気持ちになるように動かされていたのだと思う。部活を辞めたら嘘のように耳が治った。

 部活を辞めてすぐに、クラスメイトと仲良くなり、外向的になっていく。このあたりで愛子は小学生くらいの時代の愛子を取り戻していく。クラスメイトからも、「生澤さん変わったよね」と言われるくらい、明るくなっていったのだ。この時代が高校生活の中では一番穏やかに平和に日々を送れていたときであった。

 このあたりの時期で、体重も元に戻り始める。高校生の間に7キロくらい痩せた。これも食事の量や運動量などは特に変わっておらず、ダイエットをしているわけでもないのに、何が起きているのだろうと愛子は不思議に思っていた。見た目も性格も本来の愛子を徐々に取り戻していく。

 高2ではクラス自体があまり楽しくないと感じ、高校の枠を飛び出て、小学校時代の友人と遊んでいた。半年くらい経ったタイミングで進路のことを考え始める。この頃、会社員になることが嫌だと本当に薄っすらと思っていた。Twitterを使っていろんな大人を探してどんな生活をしているのかを探り始めた。Twitterで「今高校生なのですが、将来のことを考えていて、話を聞きたいです。会ってください。わたしは自由人になりたいんです」と次々と年上の方へアポイントを取っていく。危ない高校生であった。

 周りの友人からもそれは危ないのではないかと思われていたのだが、学校と家の往復に飽き飽きしていたのであった。「わたしは絶対に正しい。今に見てろよ」と愛子は心で思っていた。会った方から様々な本を教えてもらい、授業中に読み始める(ちなみに1回もバレたことがないらしい)。高校生の愛子にとっては、学校の授業よりもこの本を読むことのほうが絶対に重要だと確信をしていたのである。しかも、本を読みながらもテスト前に勉強をしており、高校の頃の成績は中の上であった。進学校だったので、成績はかなり見られる学校だったのだが、成績も平均よりは良かったので、先生からも怪しまれずにすんだ。

 色んな人に会ったり、本を読んでいく中で「四つ葉探しを仕事にしたい」と気付き始める。四つ葉探しはどのようにしたら仕事になるのかと考えていた。経済学部に行っても仕事になる感じがしないし、美大に行っても四つ葉探しを仕事にした人の例もなかったので、進む道を模索していた。それと同時に、まだ社会経験もないので、大学に行かなきゃと思っていた。大学に行かないと社会的に死ぬのではないかと思っていた。働くとしてもオフィスワークなどが良いと思っていたので、それであれば大学に行かないといけないかもしれない、それも、行くなら良いところに行きたいと思っていた。

 日が進むにつれて、どう考えても自分がやりたいことと世間体は両立出来ないということに気付いていく。加えて、愛子は実はオフィスワークをしたいとも思っていない本音に気付き始めるものの、世間一般のレールから外れてしまうような感覚を受け入れることが怖かった。塾に行きながら勉強していても涙が出てくる状態だった。勉強から逃げているのか、自分が本当にやりたいことから逃げているのかわからなくてよく泣いていたのである。大多数の人と異なる道を進むことで孤独になることが怖かった。(続く)

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