カリブール星直送の植物たち

生澤愛子との生活

 わたしたちがよく目にしたり口にしたりする植物や野菜やフルーツなどは、どこから生まれたのだろうか。最近はスーパーなどで生産者の顔や名前がわかるようになってきているが、もっともっと元を辿ってみた時に、今知っている植物などはいつからこの地球上に存在しているのだろう。

 愛子は宇宙にいる時にカリブール星で植物をつくる技士をしていた。地球上にある植物や野菜の大半は愛子の魂がつくり上げたものである。トマトやナス、玉ねぎ、とうもろこしやかぼちゃなど、わたしたちがよく口にする植物は元をたどると大抵が愛子産である。

 愛子があまり好きでないと思う植物や野菜は、他の技士によりつくられたもののようだ。もやしやミョウガ、パクチーなどはカリブール星の別の技士がつくったという。確かに、この地球上に存在している植物のなかで、例えばチューリップをつくった魂とドリアンを作った魂が同じであるとは想像しがたい。

 どうでもいい話だが、わたしは人より鼻が悪いようで、臭いの強い食べ物には耐性がある。ドリアンは、わたしが台湾に行った時に割と美味しくいただいた思い出がある。ドリアンを食べた後に別の部屋へ行き、またドリアンを食べた部屋へ戻ったらあまりの臭いにびっくりした。灯油みたいな臭いではないか。見た目もトゲトゲしていて、とてもチューリップやトマトなどをつくった魂と同じ魂がつくったとは思えない。

 カリブール星にいる植物技士は現在は8人で編成されており、1人は愛子の魂、ほかは愛子がつくり出した魂とティアさんがつくり出した魂、それからフナブ・クによってつくり出された魂によって人員構成がされている。フナブ・クによってつくられた魂は、フナブ・クと同様に少しばかりセンスがない。少しばかりどころか、割としっかりセンスがない。百合の花は愛子の魂が生み出したのだが、山百合はフナブ・クによってつくり出された魂が、勝手に百合の花をアレンジしてつくり出した植物である。山百合は点々のような模様がなければ素敵な花だと思うのだが、点々の模様が入ってしまうことでなんとも言えないバランスで残念になってしまっているように思う。少しばかり虫っぽい見た目ではないか?花びらの色合いはとっても素敵なのに。最後の仕上げで余計なことをした例だと思っている。

 そういえば、食虫植物をGoogleなどで検索してみてほしい。食虫植物という名前だからだろうか、植物本体も虫みたいな見た目じゃないか。これもフナブ・クがつくり出した魂の作品である。センス・・・・・・・・・。ドリアンや山百合、食虫植物の例を通して、フナブ・クがつくり出した魂がつくった植物の特徴が、なんとなく掴めてきただろうか。

 ピーマンは愛子産、ゴーヤはフナブ・ク産である(実際には、フナブ・クの生み出した魂産だが)。同じ苦みのある野菜だがピーマンの苦さとゴーヤの苦さは性質が異なる。ピーマンはもっとライトな苦みで、ゴーヤは後味まで残るようなしっかりとした苦さ。嫌がらせかと思うしつこい苦みはフナブ・クのつくり出した魂が生み出したものだと考えると納得がいく(ちなみにこんなゴーヤを貶めるようなことを書いているが、わたしはゴーヤが好きである。ゴーヤチャンプルーが好き)。

 蘭やオンシジューム、ヒペリカムなどの植物も愛子は可愛いとは感じるそうだが、これらは自分でつくった植物ではないとどこかで分かっているらしい。実際にキネシオロジーテストをしてみても、これからの植物は愛子がつくり出した作品ではなかったのである。

 わたしたちは生まれたときから植物を見る機会があり、これは昔からあるものだとどこかで思っている。それがどこから来ているのかということを考える人は少ないだろう。実際にはカリブール星でつくってみて上手く育った植物は、カリブール星から地球へ送られて来るようになっているらしい。これはアミ小さな宇宙人にも書かれていたことである。そう考えると、宇宙を旅して地球で芽吹いてくれている植物や野菜や果物たちに感謝したくなる。人間がこんなことをしていてごめんね…。いつかもっと、地球の平均の意識レベルが上って、人間と、植物や野菜や果物の共生が上手いことまわっていくことを願う。

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